ガンデン寺(甘丹寺)
ラサの東40キロ。キチュ河の南岸に当たる。セラ寺、デプン寺、ガンデン寺のゲルク派三大寺院のなかでも、唯一ツォンカパ自身によって建てられた寺である。ゲルク派最初の寺でもある。創建は明の永楽7年(1409)。
ツォンカパ(1357- 1419)はチベット仏教ゲルク派の創始者。中国青海省ツォンカの出身。宗教改革者といってよいだろう。当時の堕落していた紅帽派を批判し、それと区別をするために黄色い帽子をかぶった。そのためゲルク派を黄帽派ともいう。十一世紀のインドの学僧アティシャが唱えた、覚りに至る道筋を帰依、発菩提心、菩薩戒、般若行、密教の順にとらえすべての修行法やすべての哲学を一つの修行階梯のうちに統合する思想を元に、様々に分裂をしていた当時の宗派の教えを統合する哲学大系を打ち立てた。チベット仏教史上、最高の理論家であり、チベット仏教が形成される過程で最も深い思想的影響を残したチベット人である。
1419年、ガンデン寺が完成して二年の後、ツォンカパはこの地で没する。彼の遺骨を納めた銀の霊塔が建てられた。
ガンデン寺の僧院長、ガンデン?ティパは転生で選ばれる。おそらく、これには、論理学を重視し、論争に勝利したものが出世するという権威システムを造り、それによってチベット全土で他派を圧倒していったツォンカパの姿勢が影響を与えているのではないかと想像される。
1959年の解放軍の侵攻によって壊滅的な破壊を受けたガンデン寺であるが、徐々に修復がされつつある。修行僧も四百人ぐらいになっている。
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